療養費医療費を立替払いしたとき

やむをえず医療費を立替えた場合、あとで健保組合から払い戻されることがあります。これを「療養費」といいます。

要申請

立替えた分は現金で給付されます

病気やけがをしたときは、保険証を提示して保険診療を受けるのが原則です。しかし、交付手続き中で保険証を持っていなかった、急病で保険医でない医療機関にかつぎこまれた、などの例外の事態もあります。こうしたときには医療機関にご相談いただき、医療費を全額立替払いした場合は、あとで健保組合に「療養費・第二家族療養費支給申請書」と添付書類を提出して払い戻しを受けることになります。このような給付を「療養費(被扶養者の場合は第二家族療養費)」といいます。
ただし、これは健保組合が認めたときのみで、認められないと支給されません。

払い戻される療養費の額

療養費はかかった費用の全額が支給されるわけではありません。健康保険で認められている方法で治療したときの料金をもとに、自己負担分を差し引いた額が払い戻されます。

立替払いをしたあとで払い戻しのあるもの

医療の内容 払い戻し額 添付書類
治療用装具を装着したとき
治療上必要なコルセットや小児用弱視等治療用めがねなどを装普したとき
基準額から自己負担分を引いた額
  • ●医師の意見書(同意書、作成指示書)の原本
  • ●領収書の原本(費用内訳がわかるもの)
保険証を提示せず診療を受けたとき 保険診療を基準に査定した額から自己負担分を引いた額
  • ●領収書の原本(診療内訳がわかるもの)
やむをえない事情で保険医療機関以外の医療機関で受診したとき
急病で健康保険を扱っていない病院にかつぎこまれたときなど
同上 同上
海外で医療を受けたとき 保険診療相当額から自己負担分を引いた額
  • ●領収書の原本
  • ●診療内容明細書・領収明細書の原本
  • ●和訳文
  • ●渡航確認書類(旅券や航空券の写しなど)ほか
生血の輸血を受けるとき
※一般的な輸血(保存血)は保険証が使えるため申請不要
基準額から自己負担分を引いた額
  • ●領収書の原本
  • ●輸血証明書の原本
医師の指示による歩行困難な患者の緊急な入院・転院のときの移送費 基準料金
(実費額を限度)
  • ●移送承認申請書(事前申請)
  • ●移送費請求書
  • ●移送者の領収書の原本

申請書

提出書類 様式 記入例 備考
療養費・第二家族療養費付加金支給申請書 状況に応じて必要な書類を添付してください。

海外療養費

海外の医療機関を受診した人は、いったん現地で医療費を支払い、あとで療養費支給申請書に、医療機関などが発行した証拠書類(診療内容明細書、領収書など)を添付し、健保組合に提出して払い戻しを受けます。
証拠書類が外国語で記載されている場合は、翻訳者の氏名・住所を記載した翻訳文を添付します。
支給額は、①健康保険で該当する病気の診療を、日本国内で受けた場合にかかる標準的な医療費(健康保険法の規定により算定)、②現地で支払った実費のうち、保険診療対象分を円貨に換算した額(為替レートは健保が支給決定する日を基準)のうち、低い方の額を基準に算定されます。
なお、治療目的で渡航した場合は支給されません。

小児弱視等で治療用眼鏡を作成・購入したとき

9歳未満の小児が治療用の眼鏡やコンタクトレンズを作成・購入した場合、上限の範囲内で一部負担割合を乗じて差し引いた額を療養費として払い戻しを受けることができます。

柔整師、はり・きゅう、あんま・マッサージなどの施術を受けたとき

医師が必要と認め同意を得た上で、骨折により柔道整復師にかかったときや、治療手段のない神経痛・リウマチ・頚腕症候群・五十肩・腰痛症・頚椎捻挫後遺症の6疾患等について施術を受けたとき、かかった費用に一部負担割合を乗じて差し引いた額を療養費として払い戻しを受けることができます。